ポロ沼
住所 宗谷郡猿払村猿払猿払村観光協会
宗谷の由来は、アイヌ語の「シヨウヤ」（海獣の止まる磯の丘）この磯の丘にアイヌコタンがあったことから地名にした。他にも、宗谷岬の北にある弁天島は「ソーヤシュマ」（岩礁の海岸にある島）と呼ばれていた。また、「ソ（ショ）・ヤ」（岩礁の多い海岸）と呼び、これらが「ソーヤ」の由来とされている。現在の宗谷は「ウエン・トマリ」（悪い・入り江）というところで、うっかり舟を入れると岩礁で舟を壊すところだった。
猿払の由来は、アイヌ語の「サロプト」（葦（芦）川口）「サラブツ」（葦（芦）原の河口）から転化した。
ポロの由来は、アイヌ語の「ポロトー」（大きい大事な沼）の意である。
道の駅 さるふつ公園から国道238号線を浜頓別方向へ約7.0ｋｍほど右手
面積1.9平方ｋｍ。周囲6ｋｍ。最大水深2.2ｍ。国道238号線に架かる富士見橋から500ｍほど上流で猿払川に合流している。猿払村には数多くの沼があり最も大きく、国道238号線からもその姿を眺めることができる沼だが、沼の周辺は茅が生い茂る低湿地帯になっていて近づけない。汽水で海跡沼。鳥獣保護区域に指定されている自然豊かな地域であり、沿岸域は日本一の生産を誇るホタテの漁場でも有名である。
ポロ沼は、11月にはコハクチョウなどの白鳥がシベリアから数千羽が飛来ししばしの間羽を休める。白鳥はその後、南下の旅を続け、越冬期を過ぎた4月頃、再びこの沼で羽を休める。
ヤマトシジミ、ヒメシラトリガイなど汽水性ベントス（底生動物）の生息地だ。冬には凍りついた沼に穴をあけ、チカ釣りを楽しむことができ、猿払川との合流地点ではイトウなどが釣れるので釣り人のメッカとなっている。写真を撮った場所は堤防からである。
対岸の画像です。
猿払地区は、1878（明治11）年10月宗谷郡6村設定が公示され、アイヌ語地名「サラ・プツ」に「猿払」の字が当てられ村の誕生となる。この頃の人口は3戸・11人だった。1890（明治23）年猿払に人馬継立所を開設し金イ印が経営する。1894（明治27）年8月猿払村の渡し場（猿払川・ヲニシベツ川・チライベツ川・ナイウトロ川）が官設場となる。この年和人の越冬者が現る。1895（明治28）年には猿払・山軽（猿払村）が官設駅逓所となる。高木某が猿払で旅館を経営する。1896（明治29）年には猿払駅逓に官馬3頭、私有馬1頭あり。1902（明治35）年小樽木材会社が猿払事業所を開設する。1903（明治36）年この頃の猿払の越冬者は7戸となる。1904（明治37）年三井物産会社、小樽木材会社が猿払にて本格的に造材事業を始める。森安太郎が猿払に入植する。1908（明治41）年この頃猿払産の木材が清国（現・中国）に輸出される。1911（明治44）年5月連日の大火で村内が恐怖する。本間泰治が猿払牧場を開設する。この頃の猿払川では手で採れるほどマスが沢山居たという。
1912（大正元）年秋田木材が猿払村での伐木の減少により事業を縮小する。1914（大正3）年猿払川が洪水で大氾濫し被害甚大となる。1919（大正8）年この年の猿払村の人口は553戸・2326人。1920（大正9）年11月に宗谷本線（後の天北線）浅茅野〜鬼志別間を延伸開業し、猿払駅・芦野駅・鬼志別駅を新設する。駅ができてからは周辺に5軒ほどの食料品・雑貨屋ができ、旅館・飲食店・パチンコ屋などがあった。当時は大きな木工場や原木の集積場があり、冬になると200人ほどの造材人夫が当地に入ってきて賑やかだった。1924（大正13）年1月宗谷村から分村、2級町村制を施行する。村内を10地区に分ける。鬼志別川のそばにあった民家を役場仮庁舎とした。5月役場庁舎の建設に取り掛かる。1925（大正14）年12月木造平屋約284平方ｍの役場庁舎落成する。猿払・頓別方面で山火事が発生する。6月猿払方面で山火事発生し大雨にて鎮火する。1926（大正15・昭和元）年2月役場庁舎完成し開庁式挙行。7月猿払川が大洪水で氾濫し河口が変形する。
1933（昭和8）年10月猿払電灯会社を設立し送電を開始する。1937（昭和12）年7月猿払木工所を中村卯太郎三井物産会社に譲渡する。昭和30年代には530人の人口を数えたが、その後急速に過疎化が進んだ。1960（昭和35）年には猿払地区に簡易水道完成し給水開始する。1963（昭和38）年8月役場新庁舎落成し、村制施行40周年記念式典挙行。昭和40年代は鬼志別川の氾濫による水害も頻繁に発生していた。
1989（平成元）年5月天北線廃止に伴い代替輸送バス運行開始。旧天北線の線路跡が浜頓別駅跡から猿払駅跡まで「北オホーツクサイクリングロード」に転用され、延長21.3ｋｍのサイクリングコースとなっている。2008（平成20）年10月には旧天北線跡地である道道1089号猿払鬼志別線が全面開通した。